2019/9/30
商店街のインバウンド対策【インバウンド対応事例④神戸元町1番街商店街】
全国の商店街のインバウンド対応の事例を全国商店街振興組合連合会の調査結果よりシリーズで掲載します。
商店街のインバウンド対策の進め方
商店街におけるインバウンド事業は、訪日ゲストを商店街に誘導し、外国人観光客に便利で快適な来街手段を確保し、買物等のための環境を整備し、街なかでの行動を支援し、もてなしをすることを目指して進めます。しかし、来街手段、買物環境、行動支援、おもてなし等について、すべてを行うことは困難で、また総花的に対応しても効果がありません。対策に優先順位を付けたり、地域を生かして対応の中身を検討しなければなりません。詳細はこちら(PDF)
商店街インバウンド対応の事例(4)団体のインバウンドをおもてなし、神戸元町1番街商店街
神戸元町1番街商店街振興組合(神戸市中央区)
立地特性 | JR元町駅、阪神元町駅より徒歩3分、三宮駅から元町駅を通り神戸駅まで、アーケードある商店街が連続して中心商店街を形成する。隣接して大丸が立地し、南京町に繋がっている。 |
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組合員 | 組合員数80店。物品販売店が多く、飲食店、サービス店などが混在する。老舗のベーカリーや菓子店等全国有名店の本店が多く立地する。 |
商店街概況 | 元町商店街は5商店街で構成し、約1,200mのほぼ直線形。うち1番街は東側入口にあり、約250mの延長、幅員は9mで、24時間自動車進入禁止、自転車乗り入れ禁止。全蓋式のアーケードを設置している。 古くは居留地の利便機能を担い、現在は、広域客、近隣居住者に加えて、国内外の観光客(神戸港寄港のクルーズ船客等)が主客層である。 |
商店街のインバウンド対策
クルーズ船客を主なターゲットと意識しつつ、外国人観光客の商店街への誘導、訪日ゲストにまち情報の提供、商店街での買物支援等を行っています。
<国内外観光バスの誘致>
商店街の事業として、国内外観光バスを誘致する事業「Welcome to 元町1番街」を実施しています。
<簡易案内所の設置>
神戸市が商店街入口付近で、神戸港へのクルーズ船の入港に合わせて仮設の案内所を設け、インバウンドに対してまち情報、お買物情報の提供を行っています。
<インフォメーションセンターの整備>
空き店舗を利用してインフォメーションセンターを設置しました。インフォメーションセンターでは、外国人観光客にまちなかへの誘導、滞留を促し、買物等の支援をしています。
デジタルサイネージの設置/商店街のキャラクター“もとずきんちゃん”の記念撮影用パネルの設置
インバウンド事業の実施体制
商店街のインバウンド事業は、一部神戸市の支援、協力の下、外部に委託をすることなく、振興組合の役員及び組合員が協力し、役割分担をしながら実施しています。
インバウンド事業の効果と課題
「国内外観光バスの誘致」、「簡易案内所の設置」、「インフォメーションセンターの整備」ともに、観光バスやクルーズ船利用者に対して、言葉の支援をし、観光等の情報を提供して、外国人観光客の街なか行動のお手伝いをし好評を得ています。商店街に隣接して南京町があること、有名店の本店立地が多いこと、“元町”のブランドがあること等の地域資源を生かして、「立ち寄り型」ではなく、「目的型」の街への転換が期待されます。
出展:商店街近代化推進シリーズ62「商店街のインバウンド対策」/全国商店街振興組合連合会