2019/12/23
商店街のインバウンド対策【インバウンド対応事例⑦高松兵庫町商店街】
全国の商店街のインバウンド対応の事例を全国商店街振興組合連合会の調査結果よりシリーズで掲載します。
商店街のインバウンド対策の進め方
商店街におけるインバウンド事業は、訪日ゲストを商店街に誘導し、外国人観光客に便利で快適な来街手段を確保し、買物等のための環境を整備し、街なかでの行動を支援し、もてなしをすることを目指して進めます。しかし、来街手段、買物環境、行動支援、おもてなし等について、すべてを行うことは困難で、また総花的に対応しても効果がありません。対策に優先順位を付けたり、地域を生かして対応の中身を検討しなければなりません。詳細はこちら(PDF)
商店街インバウンド対応の事例(7)多言語案内システムで外国人を支援する高松兵庫町商店街
高松兵庫町商店街振興組合(香川県高松市)
立地特性 | JR高松駅より徒歩6分、高松港桟橋より9分、琴電片原駅より5分。都心商業業務ゾーンに立地する8つの中心商店街の1つである。 三越伊勢丹に隣接し、丸亀町商店街、片原町商店街と連担している。 高松市役所、香川県庁に近く、近隣にオフィスの立地が多く、都心型の住宅の建設が進んでいる。高松駅に近く、JRや船舶の利用者の流動とともに、宿泊施設が多く立地することから、国内客を含む観光客、ビジネス客の利用が多い地区である。 |
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組合員 | 組合員数は86店。飲食店、サービス店が多く、ファッション系物販店が中心の丸亀町とは異なって少ない。物販店の比率が低下し、飲食店が上昇している。組合員のうちインバウンドを主顧客とする店は多くない。 |
商店街概況 | 平日は都心ゾーンの就業者や通勤者、ビジネスマンの利用が多くみられ、オフィス街のランチゾーンとなっている。 丸亀商店街と比べて通行量、買物客の比率がやや少ない。 近隣のマンションの建設により商店街周辺のまちなか居住者が増え、商店街の利用が増加しつつある。 |
商店街のインバウンド対策
「インバウンド消費需要促進事業」として次の事業を実施しています。
<デジタルサイネージ>
デジタルサイネージの検索機能により、訪日ゲストが商店街の店舗情報を検索し、検索結果を基に商店街に誘導します。
<光スタンプラリー>
「めぐりんりん」のポイント事業と連動させ、ラリーポイント2カ所以上訪れると、「おもてなしクーポン」がもらえます。
<国際決済端末>
ICカードまたはスマートフォンに登録したパスポート情報を読み出し、免税手続きを簡素化します。
パスポート情報や言語情報をICカードやスマートフォンに取り込み、各端末で自国言語により各種の機能に利用します。
<観光情報提供アプリ>
商店街の紹介、クーポン等の配信をスマートフォンにより行い、商店街に誘導する準備を進めています。
インバウンド事業の実施体制
商店街の理事を中心に委員会を構成し、インバウンド事業を推進しています。実務面 では、ポイント事業者が事業のコーディネーターとなって全体調整を行い、「おもてな しITC協議会」関連の専門業者がそれぞれ得意とする分野を担当し、支援してインバ ウンド事業を実施しています。
出典:商店街近代化推進シリーズ62「商店街のインバウンド対策」/全国商店街振興組合連合会