2020/10/29

浅草 つる次郎【海外の口コミサイトで好評価を獲得】

外国人旅行者数が増加を続ける中、インバウンド需要を確実に取り込むことは、観光産業にとってますます重要になっています。
都市の観光関連事業者におけるインバウンド対応の好事例をシリーズで掲載します。

Success Point

接客・接遇

外国人旅行者の習慣や趣向に合わせた品揃えやサービスなどのほかは、普段通りのおもてなしが喜ばれています。

多言語対応

多言語メニューや価格表などを用意したり、AI通訳機を活用することで、円滑なコミュニケーションを図ります。

集客・プロモーション

外国人旅行者の口コミサイトへの投稿を促すような工夫や、ツアー会社を活用して団体旅行者を取り込むといった対策が効果的です。

免税・キャッシュレス

免税対応を行ったり、クレジットカードやモバイル決済に対応することが外国人旅行者の消費を促します。

名称 浅草 つる次郎
業種 飲食
住所 東京都台東区浅草1-20-8
URL http://tsurujirou.com/

日本屈指の外国人旅行者数を誇る浅草。雷門近くに店を構えるお好み焼き店「浅草 つる次郎」は早くからインバウンド対策を始め、多いときには日に約8割が外国人旅行者だという。店長兼料理長の浜田圭二さんにお話を伺った。

集客・プロモーション

日本人に向けてインバウンド対策をアピール
安心感を持った来店につながり、売り上げが大幅アップ

外国のお客様を増やし、閑散期をなくす

海外の口コミサイトの「浅草のレストラン」で第1位に選ばれたこともある「浅草 つる次郎」。売り上げが伸び悩んでいた平成23年ごろ、外国人旅行者には閑散期がないことに気づきインバウンド対策を始めた。「日本人観光客は、週末やGW、お盆などの大型連休に偏り、6月や1〜2月はどうしても客数が減ってしまいます。そんな中、外国人のお客様を集客できれば、売り上げを落とさずにすむと考えました」と浜田さんは語る。まずは英語表記のメニューを作成。さらにはそれを作ったままにせず、“日本人にアピール”したことが成功の秘訣だった。「近隣のゲストハウスやホテルに“外国人旅行者に向けた受け入れ対応をしているのでよろしくお願いします”と挨拶をしてまわりました。宿泊施設の方たちも、海外のお客様に“どこか良いお店はないか”と聞かれて困っていたようで、喜んで紹介していただけたようです。」

“日本人へのアピール”は、お店のホームページでも採用。日本語、英語、中国語(繁体字、簡体字)、韓国語の計5種類の言語で作成したホームページを、つる次郎流OMOTENASHIとして「海外の友人、お知り合いに当店をお教えする際、こちらをご紹介してください」と日本語で記して各言語のページへのリンクを貼った。「外国人のお客様に安心してご紹介できることを実感してもらえれば、次はそのお客様がリピート客となって来てくださり一石二鳥なんです」。浜田さんは、東京都が運営する多言語メニュー作成支援ウェブサイト『EAT TOKYO』※も大いに活用。「メニューを登録しておけば、タイ語などに翻訳してくれるのでとても便利です」。

※『EAT TOKYO』東京都が提供する多言語メニュー作成支援ウェブサイト。日本語メニューを選ぶだけで12言語に翻訳された用語が選択可能(利用無料)。
https://www.menu-tokyo.jp/menu/

メニューには使用食材や
アレルギー物質なども記載

指さしして使えるメニューで
スムーズなコミュニケーションを図る

「浅草 つる次郎」における
インバウンド対応前後の年商

接客・接遇

スタッフ全員が持続できることが大切
手間やコストをかけず、無理のない範囲の対策を

オリジナルの写真サービスが大好評

「インバウンド対策でいちばん大事なことは、持続できることです」と話す浜田さん。「手間やコストの面から、宿泊施設への挨拶まわりでも、英語のチラシやショップカードを作って置いてもらうというようなことはしていません。当店でしていることは“うちのホームページを見てください”と伝えておくことだけです」。

「持続できる」とは、言い換えればすべてのスタッフが簡単にでき、忙しい中でも無理を感じない作業に落とし込むこと。来客への独自のサービス“来店記念の写真撮影”もそのひとつだ。「記念撮影をしてその場でお渡ししています。撮影はスタッフ個人のスマホで行い、パソコンでテンプレートにはめ込んでプリントアウトするだけ。撮影からお渡しするまで2分もかかりません」。写真の裏には口コミサイトのQRコードを掲載。このサービスを始めてから、口コミの投稿数がぐっと上がった。「店の入り口にお客様と撮影した記念写真を飾っておくことも効果がありました」。加えて、入り口の画面ではお好み焼きを焼いている動画を流したり多言語メニューを設置するなど、外国人客が安心して入店できるよう工夫されている。

無料サービスの記念写真。スタッフが一緒に入るとさらに喜ばれる

入り口には多言語のメニューや支払い方法のほか、
店内動画も流されている


Another Eye 外国人旅行者に聞きました!

アンケートにカタカナで名前を書いてくれた彼女

英語で作り方が載っていてとても安心です

観光で訪日したフランス人カップル。日本に来るのは2回目で、8日間の滞在を予定。「以前にもお好み焼きのお店に行ったことはありましたが、今回は自分たちでお好み焼きを作ってみたいと思い、浅草 つる次郎を選びました。口コミサイトに非常にいいレビューが多かったのが来店の決め手です。メニューに、英語での作り方が載っているので安心だなと感じました」とにこやかに話してくれた。


ここがポイント!

point 01

まず日本人に向けてインバウンド対策をアピール

point 02

「EAT TOKYO」を活用して、メニューを多言語対応

point 03

スタッフ全員が無理なくできることを考えて実践

出典:東京インバウンド好事例集/東京都産業労働局