2020/11/10

松葉茶屋【観光地の飲食店も、時流に乗り変化を】

外国人旅行者数が増加を続ける中、インバウンド需要を確実に取り込むことは、観光産業にとってますます重要になっています。
都市の観光関連事業者におけるインバウンド対応の好事例をシリーズで掲載します。

Success Point

接客・接遇

外国人旅行者の習慣や趣向に合わせた品揃えやサービスなどのほかは、普段通りのおもてなしが喜ばれています。

多言語対応

多言語メニューや価格表などを用意したり、AI通訳機を活用することで、円滑なコミュニケーションを図ります。

集客・プロモーション

外国人旅行者の口コミサイトへの投稿を促すような工夫や、ツアー会社を活用して団体旅行者を取り込むといった対策が効果的です。

免税・キャッシュレス

免税対応を行ったり、クレジットカードやモバイル決済に対応することが外国人旅行者の消費を促します。

名称 松葉茶屋
業種 飲食
住所 東京都調布市深大寺元町5-11-3
URL https://chofu.com/matsuba/

千年以上の歴史と豊かな自然が魅力で、近年外国人旅行者が増加している深大寺。
周辺の飲食店は深大寺そば店が中心だが、インバウンド対策はどうしているのか。
無理せず着実に準備を進めているという「松葉茶屋」の石川妙子さんに話を聞いた。

集客・プロモーション

スマートフォンを駆使する外国人旅行者のため
英語発信のSNSやフリーWi-Fiの環境を整える

その時になって焦るより転ばぬ先の杖で用意周到に

近年、外国人旅行者が増加している深大寺とその周辺エリア。都立神代植物公園の深大寺門前で戦後まもなくからそば店を営む「松葉茶屋」の三代目女将・石川妙子さんは、「より広く店舗をPRするため、ツイッターとインスタグラムを始めました」と話す。息子さんを中心に大学生のアルバイトスタッフや英語ができるスタッフが協力して運営しており、ツイッターのトップ画面下には「英語メニューあります。何でもお気軽にお問い合わせください」という英文を固定した。外国人旅行者の大多数が、自分のスマートフォンで何でも検索し、地図を見ながら移動する昨今、SNSのプロモーションは目に触れやすい。

また、フリーWi-Fiの導入にもいち早く対応。「実際、Wi-Fiが使えるからと来店する外国人旅行者もいます」。各種クレジットカードや電子マネーの導入にも躊躇はなかった。ラグビーワールドカップ2019™️に向けて受け入れ対策への気運も高まっていたため、電子マネーの導入を済ませ、その後、クレジットカード対応も完了した。「この店にクレジット払いは似合わないと常連さんに言われますが、うちも時代についていかなければなりません」。QR決済を利用する客はまだ少数だが、「実際に外国人の方がQR決済を利用されて、小銭をやりとりせずにスムーズに支払えて便利だという声がありました。少しずつでしたが、早めに対策しておいて良かったなと思います。外国人旅行者は雨の日や日本人が少ない時期にも来てくれるので、閑散期の対策にもなると思います」と石川さんは話す。

フリー(無料)Wi-Fiは観光客の強い味方。
QR決済の利用も徐々に増加

ツイッターのトップ画面に固定した
「英語メニューあります」の表示は
店の外にも貼り出されている

「松葉茶屋」における
来店外国人の国・地域別ランキング

多言語対応

学生や英会話を習う人を従業員に迎えて
積極的に話しかけることで安心感を与える

外国語メニューは必須 話せる人がいると強い

「松葉茶屋」では、外国語(英語・中国語・韓国語)のメニューを数年前に作成した。最初は文字だけだったが、「せっかくならと写真付きで新しく作り替えました」。

また、同店には英語が話せるスタッフがおり、積極的に外国人旅行者とコミュニケーションを図っている。「薬味やそば湯についてや、だしの素材について説明ができたのは良かったと思います。たいていはちょっとした会話が多いのですが、“お味はどうでしたか?”など積極的に話しかけることで、外国人旅行者に安心してもらえていると思います」。

日本文化と自然が味わえる都心に近い深大寺エリアは、今後一層多くの外国人旅行者の訪問が期待される。多言語表記のメニュー表の作成や、Wi-Fiの導入など、できることから少しずつインバウンド対策を進める「松葉茶屋」の姿勢には、学ぶ点が多い。

日本語、ローマ字、英語、中国語、
韓国語に対応。番号でも注文できる

店舗は昔ながらの趣のある佇まい

天ぷらそばが人気。
外国人旅行者の多くが温かいそばを注文する


Tips

キャッシュレス決済のポイント

外国人旅行者にとって、自分が望む決済方法が使えるか否かは、店舗選びをする際の極めて重要な選択肢となる。せっかく来店を決めた客の消費需要を取りこぼさないようにするためにもキャッシュレス化する意味は大きい。近年日本国内でも、インバウンド消費の多くを担う中国で普及しているAlipayやWeChat Payなどをはじめとしたモバイル決済を導入する店も増えている。


ここがポイント!

point 01

英語のSNS発信で外国人受け入れをアピール

point 02

フリーWi-Fiの導入とキャッシュレス対応

point 03

多言語メニューを置き、積極的に話しかける

出典:東京インバウンド好事例集/東京都産業労働局