2020/11/20

砂町銀座商店街【暮らしと商売と観光の調和を目指す】

外国人旅行者数が増加を続ける中、インバウンド需要を確実に取り込むことは、観光産業にとってますます重要になっています。
都市の観光関連事業者におけるインバウンド対応の好事例をシリーズで掲載します。

Success Point

接客・接遇

外国人旅行者の習慣や趣向に合わせた品揃えやサービスなどのほかは、普段通りのおもてなしが喜ばれています。

多言語対応

多言語メニューや価格表などを用意したり、AI通訳機を活用することで、円滑なコミュニケーションを図ります。

集客・プロモーション

外国人旅行者の口コミサイトへの投稿を促すような工夫や、ツアー会社を活用して団体旅行者を取り込むといった対策が効果的です。

免税・キャッシュレス

免税対応を行ったり、クレジットカードやモバイル決済に対応することが外国人旅行者の消費を促します。

名称 砂町銀座商店街
業種 飲食
住所 東京都江東区北砂4-18-14
URL http://sunamachi-ginza.com/

140近い店舗が並ぶ「砂町銀座商店街」。近隣住民の台所を支えてきた商店街に外国人旅行者のツアーが訪れるようになった。一層の活性化を目指す砂町銀座商店街振興組合の総務委員、沼田正史さんにお話を伺った。

集客・プロモーション

昔ながらの商店街を活かしてツアーを受け入れ
日本人の普段の生活が垣間見られると人気に

庶民的な風情が外国人に新鮮に映る

昭和5年に28人でスタートし、近隣住民の食を担ってきた東京・江東区の「砂町銀座商店街」。平成10年代以降は様々なメディアに取り上げられ、訪れてみたい商店街の全国第3位も獲得し、観光地の顔も持つようになる。そんな状況から、砂町銀座商店街振興組合の沼田さんは、「現代は大型スーパーが消費の主軸になったが、小売店がぎゅうぎゅうと立ち並ぶ商店街には、別の魅力があるのではないか」と考え、一層の活性化を目指し始めた。「縁日的なスタイルは何十年も変わらない。おかず横丁と呼ばれているからには下町の味も体験してほしい」と、砂町銀座商店街では食べ歩きも魅力となっている。

こうした昭和レトロな風情に、日本人の普段の生活が垣間見られると、4〜5年前から、外国人旅行者がツアーで訪れるようになった。沼田さんによると、「ツアー会社が外国人旅行者に向けてインターネットで募集し、ツアー中のガイドや通訳まで行います。毎回7、8軒の店を巡っています」。参加者は夫婦や家族の小グループから、多い時は10〜15人。主に週末に催行され、時間帯は商店街が本格的に忙しくなる夕方を避け、11時〜13時半ごろの昼間に集中させるよう、ツアー会社の方でも日程を調整している。雨天時は商店街事務所の一室を飲食スペースとして開放することもある。小売店の店主は高齢者が少なくなく外国語が障壁となるが、ツアーではガイドが通訳を兼ねており安心だ。だが、ゴミを分別せずに捨てたり、大勢で来店してうどん1杯しか注文しないなど、マナーに関する問題もある。振興組合では日本でのマナーを周知した上で楽しんでもらえるようツアー会社に働きかけている。

ツアー参加の外国人旅行者に
プレゼントしているミニチュアの升

ガイド兼通訳が一緒にまわるため、
ツアー参加者も店側も安心できる

「砂町銀座商店街」ツアーの
外国人旅行者の参加者数

接客・接遇

おかずの食べ歩きや日本茶を淹れる体験が好評
満足度の高い観光ツアーが、次の観光客を呼ぶ

日本の商店街は旅慣れた人の穴場

店の軒先に座り、たい焼きやおでんを食べたり、自ら急須で淹れた日本茶を飲んだり、金物屋で七輪や孫の手を購入する。そんな昔ながらの商店街は、リピート客や旅慣れた外国人旅行者にとっても穴場と言える。全国のほかの商店街同様、砂町銀座商店街も店主の高齢化や後継者不足の声も聞こえるが、振興組合では地域のケーブルテレビにてコマーシャルを流すなど、商店街のPRを図っている。

そんな中、インバウンドの受け入れは、商店街をさらに活気づけるための一役となり、宣伝の一手段ともなる。砂町銀座商店街のQR決済の普及率は80%程度だが、現状では、ツアー会社から事前に連絡があり外国人旅行者は現金を用意してくるため、支払い時の問題はほぼない。それでも、「クレジットカードや電子マネーの対応、商品の英語表記、英語版の地図は、今後必要になると振興組合でも課題にしています。特に東京2020大会に向けて、商店街内の意欲を高めたい」と沼田さんは言う。

平成31年には組合員の手により新しいホームページを立ち上げ、ツイッターやインスタグラムも開設。現在はそれぞれの英語版の配信を検討中だ。近隣住民の利用が増え、国内外を問わず観光客が楽しみ、されに商店街の商いも成立する、三方良しの状態を目指す。

専門店で茶葉から急須で淹れる日本茶を味わう。
体験により消費も期待できる

全国各地の日本茶専門店で取り組んでいる
お茶のテイクアウトの案内には英語も併記


Another Eye 外国人旅行者に聞きました!

アメリカ・サンフランシスコから来たご夫婦

日本では必ず商店街のフードツアーに参加します

日本好きで何度も来日しているというご夫婦。「ショッピングモールやブランド街は世界中どこも同じだから、ローカル色が強い日本の商店街のような場所の方が好きで、そういったところを巡るツアーにもよく参加します。砂町銀座商店街はおかずやスイーツのほか、衣料品の専門店もあって興味深い。日本茶を淹れる体験もいいですね。美味しかったので茶葉を購入します」と話してくれた。


ここがポイント!

point 01

昔から変わらないことを魅力に転換

point 02

ガイド兼通訳付きの外国人旅行者ツアーを誘致

point 03

日本茶を淹れるなどの体験ものが好評

出典:東京インバウンド好事例集/東京都産業労働局