2021/6/25

紀伊國屋書店【東京都独自の補助金制度を活用し、電子化に対応した免税システムを導入】

全国各地に店舗を持つ日本最大級の書店チェーン、紀伊國屋書店。その総本山である新宿本店およびBooks Kinokuniya Tokyo(洋書専門店)には、新宿駅前という場所柄、日々多くの外国人観光客が足を運びます。そこで今回は、同店舗の免税販売への取組や、インバウンド対応力強化支援補助金の活用事例について、株式会社紀伊國屋書店 店売推進部・部長の宮城剛高さんと吉野沙樹さんにお話いただきました。

JR新宿駅東口から徒歩5分の紀伊國屋書店新宿本店

-店舗の概要や特徴についてお聞かせください。

宮城さん:今回は弊社新宿本店と、Books Kinokuniya Tokyoの事例についてご紹介させていただきます。新宿本店はJR新宿駅東口から徒歩3分の新宿通り沿いに位置し、およそ120万冊を擁する国内最大級の総合書店です。和書、洋書の他、文具や雑貨など幅広い商品を取り扱っており、また隣接する別館ではコミックやDVDなどを販売しております。一方のBooks Kinokuniya Tokyoは、JR新宿駅南口すぐのタカシマヤタイムズスクエア南館6Fにある、その名の通り洋書に特化した店舗です。

-インバウンドの状況や、外国人のお客様に人気の商品についてお聞かせください。

宮城さん:どちらの店舗も新宿という土地柄、日頃から数多くの外国人のお客様にお越しいただいております。特に近年は、中国や韓国を中心とした東アジア系の観光客の方々が増えている印象です。外国人のお客様といえば、やはり洋書をお買い上げいただく機会が多いのですが、最近では漫画やアニメを目的にご来店いただく方も増えており、また日本ならではの質の高い文具も人気となっています。

-いつ、どのような経緯で免税店になられたのでしょうか?

宮城さん:この数年インバウンドのお客様が急増してきたことに加え、海外に駐在されている日本人の方が一時帰国の際に日本の書籍をまとめ買いされるケースも多かったため、2015年から免税販売を開始しました。新宿本店は洋書売場と別館のコミック売場に、それぞれ免税カウンターを設置しております(※2021年6月現在、新宿本店は耐震工事を実施しており一時的に洋書売場がありません。免税対応は現在、別館コミック売場カウンターにてまとめて行われています)。当初は手書きによる免税手続を行っていたため、効率が悪く、お客様をお待たせしてしまったり、スタッフにかかる負担も大きかったのですが、2017年に免税システム(オフライン版 *)を導入以降は、作業効率や利便性が飛躍的に向上しました。

* インターネットに接続せずに利用できる購入記録票作成機能

英仏独伊西越中韓の輸入書籍と洋雑誌を扱うBooks Kinokuniya Tokyo

-このたび紀伊國屋書店様では、東京都および(公財)東京観光財団による「インバウンド対応力強化支援補助金」をお受けになられたそうですが、実際にどのような事業にご活用されたのでしょうか?

宮城さん:2020年4月から免税販売手続の電子化が始まったため、迅速に対応すべく、免税システム提供会社にご相談させていただいたところ、補助金の活用をご提案いただきました。実はそれまでこうした補助金があることを知らなかったのですが、電子化の対応は必ず実施しなければいけないものでしたので、それであればこの補助金をぜひ免税システム電子化対応に活用させていただこうと考えた次第です。

-実際に補助金をご活用されてみて、申請手続や制度の内容など、どのようにお感じになられましたか?

吉野さん:申請手続に関しては、私自身不慣れだったこともあり、最初は手探り状態で取り掛かりましたが、東京観光財団のホームページに申請の手引書や、書き方のサンプルなどが非常にわかりやすい内容で掲載されており、おかげでスムースに作成することができました。また途中で迷った際も、東京観光財団の窓口が電話やメールで相談に乗っていただき、こちらの細かい質問にも迅速かつ丁寧に回答していただきました。申請手続と聞くと、難しくて、少し面倒なイメージを持ちがちですが、インバウンド対応力強化支援補助金の申請に関しては、サポート体制がしっかり整っているので、とても取り組みやすいと思います。

-電子化に当たってどのような準備をされましたか? また、電子化によりどのような効果が得られたのでしょうか?

宮城さん:免税システム提供会社の担当者様に店舗まで足を運んでいただき、まずは各店舗の店長および作業担当者に免税販売手続の電子化の概要等についてご説明いただきました。さらに導入時には、免税カウンターの端末前でスタッフたちに実際の操作方法などもレクチャーしていただきました。また、非常に詳細なマニュアルもご用意いただきましたので、電子化に移行した後も、支障なく安心して業務に取り掛かれています。一方、電子化による効果については、やはり作業効率が一層向上しました。手続にかかる時間が大幅に短縮されたほか、ペーパーレスになったためプリンターが不要になり、店舗の経理担当者が紙を取りまとめる作業もなくなりました。

-最後に、今後の展望や課題についてお聞かせください。

宮城さん:新型コロナウイルスによる影響は非常に大きなものがありますが、長期的に見れば外国人のお客様の来店は今後も増えていくことが予想されます。近年中国からのお客様が増えていることから、免税システム会社がご提供してくださる「WeChatミニプログラムサービス」を利用し、中国に向けて店舗のプロモーションを行うことを計画中です。またその他の免税告知についても、現在免税カウンターの周りにポスターを貼ったり、店内のフロアマップに表示したりしておりますが、自社媒体以外での宣伝広報については十分な実施はできておりません。今後はより多くのお客様にご利用いただけるよう、書店でも免税ができるということを、もっと広くアピールしていきたいと考えております。

外国人観光客にも人気の新宿本店コミック売り場

新宿本店のコミック売り場に設置された免税カウンター

フロアマップで免税カウンターの場所を案内

■インバウンド対応力強化支援補助金とは?

東京都内の宿泊施設、飲食店、免税店、体験型コンテンツ提供施設等が、訪都外国人旅行者のニーズに対応した利便性や快適性を向上させる目的で新たに実施する受入対応強化の取組を支援する補助制度です。詳細についてはこちらをご参照ください。
※現在は免税販売手続電子化の完全移行に伴い、免税システム電子化対応の項目は、本補助金制度は対象外となっています。