2021/9/9

スピングルムーヴ【東京都によるアドバイザー派遣を受けて、インバウンド対策の課題を解決】

職人気質な街、広島県府中市に誕生したスニーカーブランド『スピングルムーヴ』は、完全国内生産による品質の高さや個性的なデザイン等により、多くのスニーカーファンに支持されています。その評判は海外にも広がりつつあり、近年はインバウンドのお客様の購入も増えているそうです。そこで今回は、ものづくりの街として知られる御徒町の商業施設「2k540」に店舗を構えるスピングルムーヴ 2k540店にお伺いし、免税対応への取組や、東京都の「観光関連事業者向け派遣型セミナー・アドバイザー派遣事業」の活用事例等について、店長の加藤仁さんにお話いただきました。

ものづくりをテーマとした施設「2k540」に店舗を構えるスピングルムーヴ 2k540店

-スピングルムーヴとはどのようなブランドですか?

加藤さん:スピングルムーヴは、職人気質あふれる街、広島県府中市で誕生しました。
ソールがそり上がった個性的なデザインや、底が剥がれにくく型崩れしにくいといった機能性、カンガルーなど多種多様なレザーを使った独自の素材感などが特徴の履き心地にこだわり「流行りに左右されず、手作りにこだわった」スニーカーブランドです。国内生産にこだわり、国内では希少な高温の釜に入れて作る昔ながらのバルカナイズ製法によって、熟練の職人たちが一つ一つ心を込めて手作りしています。その技術力や品質の高さは海外でも注目いただいており、過去にはパリ・ミラノコレクションなどでも取り上げられました。主に全国各地のデパートや路面店などで販売。なかでも今回ご紹介させていただく2k540店は、ものづくりの街という場所柄、手作り・革製品などに興味のあるお客様や、上質なものを好まれるお客様に数多くご来店いただいております。

外国人のお客様に最も人気のある定番スニーカー「SPM-110」

メイドインジャパンにこだわった個性的なデザインのスニーカー
あえて靴の正面を見せる、こだわりのある陳列棚

-インバウンドの状況についてお聞かせください。

加藤さん:インバウンドのお客様は全体のおよそ2割を占めており、主に中国、アメリカ、ヨーロッパの30~50代くらいの方々を中心にお越しいただいております。割合が多いのは飛び込みのお客様ですが、日本に来た際には必ずお立ち寄りして頂いているお客様やSNSを見て来店するお客様もいます。独自のデザインや、カンガルーのレザーなどを珍しいと言ってくださる方が多く、また職人が手作りしていることや、メイドインジャパン製品であること、一番は履いた時の履き心地の良さなどでご購入いただける動機になっていると思います。

-いつ、どのような経緯で免税店になられたのでしょうか? また免税対応するうえでご苦労されていることなどはございますか?

加藤さん:免税は2013年のオープン当初から行っています。弊社にとって、免税は欠かせません。一般の靴と比べて、価格帯が若干高めに設定されているため、免税ができないとわかると急遽購入を取り止めるお客様もいらっしゃるからです。一方、免税対応するうえでは、やはり言葉の面で苦労しています。特にわからない言語で話しかけられると、どうしても焦ってしまい、思い通りの接客ができないこともたびたびありました。そこで最近はスマートフォンの翻訳アプリを活用したり、事前に会話を想定したマニュアルを作成したりして、コミュニケーションを図っています。

-東京都が実施している「観光関連事業者向け派遣型セミナー・アドバイザー派遣事業」を活用されたそうですが、そもそもどのような経緯で活用されたのでしょうか?

加藤さん:インバウンドのお客様が年々増え続ける中、いかに店舗に入店してもらえるか、いかに商品の魅力をしっかりお伝えできるかが大きな課題となっていました。英語が得意なスタッフも少なく、また翻訳アプリなどの活用だけでは限界もあります。そこで第三者の視点やプロフェッショナルの視点から見たご意見をお聞きしたく、アドバイザーの方のお力をお借りした次第です。2019年9月に2回、店舗にアドバイザーを派遣していただき、私たちの現状の課題に対して有効なアドバイスをしていただきました。

アドバイザーの助言により制作された外国人のお客様向けのPOP

店頭に設置されたインフォメーションと、靴の日本及び海外サイズ併記表

-具体的にどのようなアドバイスを受け、どのように実践されましたか?

加藤さん:それまで導入していなかったインバウンドのお客様向けの英語表記のPOPを、店外からも見える場所に設置するようアドバイスいただきました。そこで、できるだけ目に留まりやすいものにするため、A4サイズの大きめの厚紙に、インパクトのある手書きのスニーカーのイラストと英語表記の説明文を入れたPOPを作成。店内のPOPの2割ほどをインバウンド用に差し替え、お客様が立ち止まりそうな場所に設置していきました。

-取り組まれた結果、どのような成果がございましたか? またアドバイザーの派遣を受けて良かった点、メリットに感じたことなどがございましたらお聞かせください。

加藤さん:立ち止まって英語表記の説明を読んでくださる方が格段に増えました。また、そこから試し履きをして満足いただき、実際にご購入いただくケースも増えております。インバウンド用のPOPを設置するだけで、これほどお客様の反応に違いが出るとは思ってもいませんでした。おかげさまで英語で説明をする機会が減り、スタッフの負担軽減にも繋がりましたし、また何よりも靴の魅力や特徴をきちんとご理解いただけるようになった点が良かったと感じています。

-最後に、今後の抱負や目標をお聞かせください。

加藤さん:海外の販売拠点はまだまだ少なく、基本的に日本に来ないと手に入りづらいということが希少性に繋がっている側面はあるでしょう。しかし一方で、それはブランドの知名度が低い要因でもあると思います。そのため今後は海外の販売拠点を増やすなどして、弊社のこだわりのメイドインジャパン製品が世界の方々に1人でも多く知ってもらえるようになればと思っております。商品の魅力をいかに効果的に世界へと発信していくか。ぜひまたアドバイザーの方にお知恵をお借りできればと思っています。

多忙な店舗の運営管理を行う店長の加藤仁さん

■「観光関連事業者向け派遣型セミナー・アドバイザー派遣事業」とは?

東京都では、免税店・宿泊施設・飲食店など観光関連事業者様を対象に、ウイズコロナで求められる旅行者受入に必要な知識取得や今後のインバウンド対応に向けた課題解決のための派遣型セミナー及びアドバイザー派遣を利用料無料で実施しています。詳細については東京都産業労働局観光部ホームページをご参照ください。