2018/12/28

かっぱ橋道具街 一括カウンター活用事例
【世界的な和食ブームでインバウンド売上が急上昇。一括カウンターで免税手続きも楽々】

かっぱ橋道具街は、調理器具や食器など飲食業のプロ向けの商品を扱う専門店街です。東京の大観光地である上野とスカイツリーも間近に見える浅草の中間で、「プロ用調理道具の街」としての誇りとこだわりを持って発展を続けてきました。現在は、170以上もの店舗が軒を連ねています。今回は、東京合羽橋商店街振興組合の役員で、かっぱ橋でおよそ95年に渡り職人の手による包丁を企画販売している「かまた刃研社」の店主・鎌田晴一さんに、訪日客の状況や免税制度導入の経緯について伺いました。

店主 鎌田晴一さん

-現在のインバウンドの状況を教えてください。

鎌田さん:かっぱ橋道具街全体の状況としては、2015年頃から外国人のお客様が増加しています。世界的な和食ブームで日本の調理器具への関心が高まり、専門店街であるかっぱ橋が注目されたようです。かっぱ橋のポリシーは「プロのための道具街」ですが、このポリシーが図らずも外国人観光客の注目を集めたという面があると思います。以前は外国人のお客様は欧米の方が多かったのですが、最近は、特にアジアからのお客様も増えています。
当店の状況としては、来店客の7~8割が外国からのお客様です。包丁はドイツのブランドが有名でしたが、和食ブームにより、柔らかい魚のスライスやキャベツの線切りなど繊細な作業ができる日本の包丁の良さが伝わったのだと思います。外国のお客様はお土産用に複数購入されることが多いので、売上高だと外国人の比率は更に高くなります。また、帰国後に、追加で購入したいというメールも毎日何通も来ています。売れ筋商品は、単価が1万円から1万5千円の日本的な和包丁です。以前は、外国のお客様といえば高級ホテルに滞在しているセレブな方という印象でしたが、和食ブームで一般的な観光客が友人や兄弟へのお土産品として購入するように裾野が広がったと思っています。

人気商品の数々

-免税制度導入の経緯をお聞かせください。

鎌田さん:かっぱ橋道具街の免税制度導入は、店舗ごとに判断しています。大型厨房器具等を扱う店舗などは、どんなに良い商品でも外国人向けの販売は考えにくいからです。
かまた刃研社は、2015年頃、外国人のお客様が増えてきた頃に免税店の申請をしました。しかし、この時は申請したものの、手続きが煩雑なために実際には免税販売を実施しませんでした。2017年頃に、免税手続きを一括して代行する事業者が振興組合の賛助会員として出店してきたのをきっかけに、手続委託型の免税店として看板を掲げました。
手続委託型は、加盟店も免税で購入されるお客様も業者に手数料を払う仕組みで、お客様は各店舗でいったん税込金額を支払った後、消費税から手数料を引いた金額を一括カウンターで受け取れます。一括カウンターは、単独で免税店になる場合とは異なり、1店舗では5,000円未満で免税にならないお買い物でも、他店品と合わせて5,000円以上なら免税扱いにすることができます。一括カウンターができた当初は、加盟したのは5~6店舗でしたが、今では10数店舗になっています(2018年12月時点)。

免税代行事業者が道具街に出店しています

-手続委託型の免税制度導入で、良かったのはどのようなことでしょうか?

鎌田さん:良かった点は、販売店では免税制度の説明や手続きに手間がかからないことです。そのおかげで、国内外問わずどのお客様にも、商品説明に時間を費やすことができます。販売時には、タブレット端末からあらかじめ登録された商品情報を送信する1~2分の操作だけを行えばよく、パスポート確認その他の手続きは要りません。
免税による売上効果は、お国柄によると思います。これまでの当店の外国人のお客様は、消費税が20数%と高いヨーロッパの方々で、日本の消費税をあまり気にされない感じでした。でも、アジアからのお客様は消費税を気にされて、同じような品物なら免税制度のある大型店で購入する傾向があると聞きます。2019年には消費税の引上げも予定されています。かっぱ橋道具街でもアジアのお客様が増加してきていますし、今後は、更に免税対応店舗が増えてくると思っています。

-外国語での接客や販促で工夫している点をお話しください。

鎌田さん:従業員が商品説明をするときに、特に難しい英語が必要なわけではありません。毎回聞かれる内容も返す説明も同じですので、皆すぐに覚えてしまいます。商品箱の中には、英語の「ご使用上の注意とお手入れ方法」の注意書きを入れている他、英語の「包丁研ぎマニュアル」のリーフレットも用意しています。
販売促進としては、外国人の観光客が利用する交通機関やウェブサイトだけでなく、日本駐在の外国人ビジネスマン向けにも各種の広告宣伝を載せています。

かまた刃研社英字広告、「包丁研ぎマニュアル」リーフレット、包丁お手入れ方法の注意書き

-今後取り組みたいことについてお聞かせください。

鎌田さん:かまた刃研社の話をさせていただきますと、課題は若い技術者をどうやって育てるかです。当店には現在、私を含め3人の技術者がいますが、本物の技術者と言える若手を育成したいと思っています。プロのための道具街である「かっぱ橋らしさ」が、日本人のプロにとどまらず外国人のお客様をも呼び込んでいる源泉ですので、これが第一の課題です。それから、外国人向けにはウェブ対応も課題だと考えています。ホームページに、英語、フランス語、ドイツ語等で商品説明をしたいですね。母国語での説明があったら、外国人の皆様にもきっと喜んでいただけると思います。

技術者の技を間近で見られる研磨コーナー

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